出会いシリーズ
 
M. 紀子さん



 私は大学でピアノ演奏を専攻しました。他に得意なものもなかったし、小さい頃からピアノを弾いてきてなんとなくその流れのままに進んだのです。入学するまではそれを目標に、入学してからは毎年の試験や学内の演奏会に追われ、ひたすら練習しました。

ところが卒業してみると、はて、私はいったいなぜピアノを弾いているのだろうと立ち止まってしまいました。演奏家として身を立てるほどの才能もなく、何か社会に貢献できるわけでもない、答えの出ないまま、とりあえず目標があればといくつかのコンクールなどにトライしてみましたが、満足のいく演奏が出来ずどんどん落ち込んでいきました。

そんな私を泥沼から救い上げてくれたのは恩師の一言でした。「演奏家は、その曲がどんなに素晴らしいか、自分がどんなにその曲を愛しているかその感動を伝えればいいのよ。」私がピアノを弾くのは、上手になりたいからでも、人に認められたいからでもなく、何よりも音楽が好きだからという原点に戻ることが出来ました。

このたび教会で演奏する機会を頂き、久しぶりに練習しています。私は世に作品を遺した作曲家たちの足元にも及ばず、その作品の素晴らしさをとても表現しきれないことでしょう。でも私は音楽を魂の糧として心から愛しているのです。その感動が少しでも皆様に伝わればと願っています。

(M. 紀子さんはM. 広子さんと一緒に、5月11日【金】12時50分、5月12日【土】5時、の二日間、教会にてピアノデュオコンサートをしてくださいます。皆さんお楽しみに…)


Back to INDEX