|
この一冊に
E.淳子
|
皆さん、教会のライブラリーをご存知ですか。「図書室・・・うーん、どこにあったかなぁ?」そんな方々の為にご紹介を。入り口右側、キッチンとソーシャル・ホールの間にある小さな部屋です。ちょっとだけ足を止めて本棚を覗いてみてください。あるある、日本語の本!三浦綾子さんの小説、星野富広さんの詩画集、水野源三さんの詩集、それから、女性の生き方を書いたエッセイ集など。
今、私が読んでいる本は、Rさんお薦めの「しがまっこ溶けた」です。この本は詩人桜井哲夫さんとの歳月を在日韓国人3世の金正美さんが纏めた本です。ハンセン病元患者で療養所生活をおくっている桜井さんこと、てっちゃんのところに当時女子大生だったチョンミさんが訪れ、それから2人の友情物語が始まります。正美さんは桜井さんとの出会いから8年間のことを正直に、そして温かく本の中に込めています。最初に手にした時には「ハンセン病か。重たい内容だろうなぁ・・・」と少々しり込みをしてしまいましたが、読み進めていくうちにどんどん引き込まれていきました。何よりも2人のキャラクターが明るく、楽しい、そして、美しいのです。桜井さんは17歳のときから60年間以上を療養所で過ごし、その中で、自己の表現を詩に託し詩集を数冊出版しています。
「花便り」
看護婦さんが封筒をあけた
手紙の間から紫の花びらが散った
手紙の文字は盲目の私には読めないけれど
紫の花びらを舌に乗せると
手紙を贈ってくれた人の優しさが読める
花の手紙は舌先でおどる
花の文字は何時までも忘れられない
(桜井哲夫 第四詩集『タイの蝶々』より)
本には大きな力があると思いました。この本を読んでいると心が温かくなっていくのが分かります。他にも、心に残る良い本が図書室に並んでいます。ファイルに記帳さえすれば誰でも貸し出し自由です。白合会の帰りにちょっと覗いてみせんか。